音楽留学3 すぐに詰んだ?イタリア音楽留学の日々

入学してからも、それはそれは大変でした。

イタリア語の基礎などありませんから。

日本の音大の単位交換とか全くできなくて、音楽理論、和声、対位法、音楽史など、全部イタリアでやり直しました。

なかでも大変だったのは、音楽史で、

教科書とか何もなく、ただただ先生が90分ずっとしゃべってるだけの授業スタイルでした。

板書もなにもありません。

耳からの情報しかないのです。

よく観察していると、日本でやるような音楽史の授業は、受験の前までにみんな終わらせているようでした。

なので入学後の授業は、より発展的。

先生にもよりますが、僕の時は、交響曲を軸に音楽の歴史を見ていく、というスタイルで、

それには基礎的な楽典の知識があるのはもう前提で、各作曲家の音楽技法、世界史、ギリシャ神話など、そもそも知ってないと理解できません。

最初っから私のイタリア人生は詰んでいました。

でも、私、負けず嫌いなんで、

リタイアして日本に帰って後ろ指さされるのはいやだったんですね。

で、どうしたか。

信用と信頼を勝ち取る方向に行きました。

授業は基本休まない、一番前に座る。

授業は毎回録音を録っておく、どうせ聞き返したってしょうがないけど。

(録っておくという行動を先生に見せるのが大事)

とりあえず愛嬌いいキャラになっとく。

それで、最終的には、先生とプライベートで一緒にコンサート聴きに行くくらいの仲になりました。

で、試験はペーパーでなく口頭試問なので、

しゃべる台本を作って先生に添削してもらう、などして、

「Ryoはがんばってるからイイヨ」

と、言わせました。

それで3年間、留年せずストレートに全部単位取って卒業しました。

写真はたしか、入学して1年目にやる和声学のソプラノ課題。

日本のやり方じゃ解けない。

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