「ピアノを弾く時の手は、卵の形」そう教わったかたも多いのではないでしょうか?
しかしこれは、「なぜ卵の形か」「どのようにして作るのか」を理解していないと、幼少期から事故を起こしやすい手をつくることにつながってしまいます。その理由について、いくつか書いていこうと思います。
導入段階で卵の形をつくるのは難しい
さて、「ピアノを弾く時の基本的な形は、卵型」これは間違いではありません。
しかし、卵型になるのは最終的な結果であって、最初にその形を真似しても意味がないどころか、悪い癖を身につけさせてしまいます。
最初に大事なことは、しっかり指の支えをつくり、必要ないところは脱力することです。
これがないまま卵型をまねてしまうと、指の支えがありませんから、指は丸くしたまま固定、手首も固定してしまい、力が入った状態を先にインプットさせてしまいます。
そのため、曲を進めるうちに、指先を脱力しようとすると指も手首も両方脱力してふにゃふにゃに、また指を支えようとすると手首も一緒に力が入り全体ががちがちに、という極端なことが起こってしまいます。
指の第三関節の支えは保ち、指先は脱力、手首も脱力という、最終的に美しい卵型を手に入れるためには、「理にかなったプロセス」を経る必要があります。
ピアノ脱力法メソッド®は、美しい卵形を習得する最適な方法
ピアノ脱力法メソッド®のベーシック講座の中にある「椅子での脱力・フィンガートレーニング」を受講していただくと、手首の上下、おやま、独立分離荷重という順番で習得していくことができます。
また、ピアノ脱力法メソッド®公式教材「にじのねいろ」は、正しく無理のない奏法を最初から習得するために開発された導入教材となっていますので、こちらもおすすめです。
「てくびぽんぽん(手首脱力)」「さんかくおやま(第三関節の支え)」「いっぽんゆび(独立分離)」など、3歳のお子さんから理解できるようになっています。
奏法の作り方 曲のレベルが上がってくると、卵型の手は崩すことになる
さて、苦労して手に入れた卵型の手でも、曲のレベルが上がってくると、ずっと卵の形とは言っていられなくなります。いわゆる卵型の手で弾けるのは、せいぜい古典派初期、ハイドンやモーツァルトまでです。
その先、ロマン派のショパンやリストなどと進んだ場合、オクターブ以上の広い幅をとらなければならなかったり、古典派では出てこなかった奏法が出てきます。
そのような場合は、卵型を崩し、指伸ばし奏法になったり、指を大きく広げてお椀奏法になるなど、卵型に固執していては、作曲家別にふさわしい音色をつくったりすることが不可能になります。
その時代の様式や作曲家に合わせて、その曲だけの音色を作る必要があります。
そのためには、ピアノ脱力法メソッド®の「表現テクニック100奏法」を学ぶことで、より早く、それぞれの楽曲に適した奏法を習得することができます。